全体像
たんぱく質
本作品の内容を、「フレッド・ホイル博士曰く、生命が生まれる確率は10の4万乗分の1」の内訳にしたい思います。
この、確率の分母の10の4万乗分の1は、10の後ろに、0が4万個続いた数字です。
さて、その数字の内訳を筆者が知る限りの情報で、満たしたいと思います。
生命と言って、真っ先に思い浮かぶのは、DNAでした。
DNAの構成とDNAの働きで、内訳を考えようとしましたが、大きな問題に当たってしまいました。
DNAは、たんぱく質の設計図ともいわれます。
さて、DNAは、どうやって設計図を描くことができたんでしょうか?
この問題を確率で表現することは、今の筆者には無理そうですので、「設計図はあったのだ」として、たんぱく質のできる確率を考えていきたいと思います。
追記
① 2025/01/12
「フレッド・ホイル博士曰く、生命が生まれる確率は10の4万乗分の1」をどのように解釈するかということが、大前提になります。
筆者は、「10の4万乗分の1回の作業を行えば、生命は生まれる」と解釈しました。
厳密ではないでしょうが、当たらずとも遠からずだと思います。
この作業をコンピュータ・プログラムで考えると、1つ作業は、1つのマシン語に相当すると考えます。
現代において、パソコンであっても、並列型の優秀なコンピュータが開発されています。
しかし、仮に同時に100回(個)のマシン語を処理できても、10の4万乗分の1は次の数値になるだけです。
10の4万乗分の1/100 = 10の(4万-2)乗分の1。
これが、4万乗の膨大さを意味します。
「次元が違う」と、思われるかもしれませんが、これは同じ次元の数値です。
しかしながら、実際の処理(作業)は、別次元で行われているのかもしれませんね。
② 2025/01/12
現在において、時間の最小単位はプランク時間で、約5.391×10の-44乗秒とされています。
この時間を用いて、10の4万乗分の1の作業(マシン語)を何年で処理できるか、計算して見ます。
プランク時間から、1秒間に10の45乗回、作業(マシン語)を処理できることにします。
これから、1年で処理できる回数は、365x24x60x60x10の45乗回 ≒ 10の52乗回となります。
10の4万乗分の1の作業(マシン語)を何年で処理できるか、あまり計算したくありませんね。
代わりに、比べる時間を挙げたいと思います。
地球の年齢は、46億年 = 4.6×10の9乗年。
宇宙の年齢は、137億年 = 1.37×10の10乗年。
これって、生命の誕生は絶望的に思えますね。
もはや、何倍という概念は、指数的概念に置き換えなければ生命の誕生は、考えることができませんね。
筆者は、「それでも、生命は存在している」ことから、10の4万乗を劇的にショートカットする自然界の未知の法則が存在すると信じています。
さて、たんぱく質について考えていきます。
尚、全ての情報はネット上のものです。
しかしながら、たんぱく質について考えるとなると、物凄い情報量が必要になるので、できるだけ簡潔にしたいと思います。
次の項目について考えたいと思います。
①たんぱく質の概要
②たんぱく質の構造
③たんぱく質の修飾
たんぱく質の生成確率に関与するのは、①②の一部分だけになります。
しかし、先のことですが、DNAとの繋がりを考える時、①~③が必要になると思うので、ここで「たんぱく質」についての情報を取り敢えず確定しておきたいと思います。
①たんぱく質の概要
・DNAを設計図として作られるたんぱく質は、酵素も含みます。
・人体は、約10万種類のたんぱく質で作られます。
・たんぱく質は、20種類のアミノ酸から構成されています。
・人体の最小のたんぱく質は、インスリンで、51個のアミノ酸配列で作られています。
尚、人工のたんぱく質の生成成功は、シニョリンで、10個のアミノ酸配列で作られています。
・人体の最大のたんぱく質は、タイチン(titin)で、34,000個以上のアミノ酸配列で作られています。
・人体のたんぱく質のアミノ酸配列数の平均は、約430です。
②たんぱく質の構造
たんぱく質は、生成過程で次の4つの構造になります。
1-一次構造
たんぱく質はアミノ酸20種類から構築されます。
この時、アミノ酸の繋がる種類の順番が重要になり、つながったアミノ酸たちのことをアミノ酸配列と呼びます。
そして、このアミノ酸配列は、DNAの設計図を元にエラーがない限り忠実に構築されます。
ここからが、たんぱく質の構築の確率の最も重要な部分になりますが、長文になるので、次話(EP)「01-03 たんぱく質とアミノ酸配列を重複順列で解く」で記述します。
2-二次構造
一次構造を、そのまま横に並べていくと、数メートルのアミノ酸配列ができます。
この状態では、細胞の中どころか、人体にも収まらないので、折り畳みを行います。
基本的にこの折りたたまれた構造が、二次構造です。
3-三次構造
たんぱく質は、いくつかの部分(サブユニット)の結合体になります。
三次構造は、二次構造から、1個のサブユニットを、3次元構造化します。
4-四次構造
四次構造は、三次構造で作ったサブユニットを、必要な分、結合します。
③たんぱく質の修飾
例えば、20種類のどのアミノ酸にもカルシウム(Ca)は、含まれていません。
では、何故骨ができるかというと、この修飾の働きがあるからです。
たんぱく質は、一次構造から四次構造の前後で、この修飾を行います。
素材を食物などを分解して取り込んでいると、単純に考えても、いいかもしれません。
尚、二次構造から四次構造と修飾は、一次構造に依存していると考えられています。
DNAのアミノ酸配列を書き込んだ設計図だけが元なので、「DNA凄い!」と言いたいですね。
実は、この話(ep.)は、DNAの領域なのですが、たんぱく質を語る上で、必ず必要になるのでご容赦ください。
DNAは、あるたんぱく質の設計図をアミノ酸配列として持っています。
尚、そのDNAの構造はここでは。触れません。
DNAの中でアミノ酸配列の最初と最後が分かれば、中身はアミノ酸の種類が順番に並んでいるだけです。
さて、人体の最小個のアミノ酸配列で構築されるインスリンについて考えます。
インスリンは、51個のアミノ酸から構築されます。
そして、アミノ酸は20種類です。
インスリンの1個目のアミノ酸は、20種類のうちのどれかです。
インスリンでなければ、20種類のうちのどれでもいいはずです。
2個目以降も同様です。
このように、51個のマスに20種類のあるグループの要素をはめていく場合の数(場合数、数え上げ数、通り数)は重複順列で求めることが、できます。
尚、重複順列は高校の数学程度だと思いますし、ネットで検索すれば多くの記事がヒットすると思います。
インスリンでない場合数は、場合数=20 の 51 乗になります。
※参考資料より、場合数の桁数=66
よって、20 の 51 乗≒1.0×10の65乗になります。
すなわち、インスリンになる配列の場合は、1.0×10の65乗の中の1場合となります。
仮に、DNAの設計図が無ければ、人類(または誰か)はインスリンを作るために、1.0×10の65乗回の試行錯誤が必要となります
さらに、
①人類は、シニョリンという10個のアミノ酸配列からなるたんぱく質の合成だけに成功している。
②インスリンが51個のアミノ酸配列であることを知らない。
インスリンの1からの人工合成は、絶望的のようですが、あえて、そして甘くこれを確率で表すと1/1.0×10の65乗になります。
次に、平均的なたんぱく質のアミノ酸配列数430の場合を計算します。
場合数の桁数≒4301.3 = 539 そして、最大のたんぱく質のアミノ酸(タイチン)配列数34,000の場合を計算します。 場合数の桁数≒34,0001.3 = 44,200
あれっ、フレッド・ホイル博士曰く、「生命が生まれる確率は10の4万乗分の1」を超えてしまいました。
どこが間違っていたんでしょうか?
※参考資料
常用対数の公式
10進数の桁数を求める場合、底が10の常用対数を用います。
①Nを巨大な数としたとき、n=log10NのnはNの桁数
②log10Mr=r*log10M
③log10ab=log10M+log10N
指数表記の数値の桁数
公式①より、巨大な数がaのb乗の時、桁数はn=log10aのb乗
公式②より、n=log10aのb乗=b*log10a
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